タワー建設


 自宅の屋根の上に自作ルーフタワーを上げていましたが、家を改築することになったた め、ルーフタワーを降ろすことになりました。それでこの機会にタワーを建てることにし ました。タワーはクリエート・デザインの KT15R(自立タワー 地上高15.3m)、ア ンテナ・エレベータは AE2−15(手動ウインチ付)を建てました。
 タワーは家の改築が終わる(シャックができる)までに建てればいいので十分な時間が あり、一人でこつこつと行ないました。(コンクリート打ちとタワー吊り上げは家の改築 をしてもらっている業者さんに手伝ってもらいました。)
 次に当局のタワー建設のようすを紹介します。


タワー部品 タワー部品

 ハムショップで注文してから一週間後にメーカーからトラック便でタワー部品一式が送 られてきました。思ったより少ない荷物でした。
 左側のダンボール箱3個と右側のダンボール箱1個、及び上側のレール、鉄板がタワー の部品類、中央の大きいダンボール箱1個、及び上側のレールがエレベータの部品類です。


穴掘り(深さ1.3m) 穴掘り(深さ1.3m)

 穴の寸法、位置を決めるために、コンクリート打ちの型枠をかねた木枠を作って地面の 上に置き、動かないように各角に杭を2本づつ打込んで固定しました。
 穴は手掘りでスコッパとトンガを使って、掘った面が木枠に垂直になるように掘ってい きました。掘った土は一輪車にのせて捨て場所(10mほど離れた所)へ運びました。深く なってからは、バケツに土を入れロープで引っ張って上げました。



穴掘り(深さ1.8m) 穴掘り(深さ1.8m)

 穴を掘っていくにしたがって、水がしみ出してきて溜まりました(100〜200l/1日)の で、ホースを使って毎日くみだしました。(高い場所なのでポンプを使わずサイホンの原 理で)
 穴の上部は1.2m角ですが、中央部は1.4mと大きくなっています。下部は1.0mと小さくな っています。地盤が固かった(石混じり)ので指定寸法どおりに仕上げることができまし た。
 穴掘りは体力がもたないので、1日に2、3時間づつ日にちをあけて掘りました。のべ 10日ほどかかりました。



基礎セクションの組立て 基礎セクションの組立て

 組立てはねじれを防止するために車庫のコンクリートの上に同寸法の角材を4個敷いて その上で行いました。
 ボルトは仮締めで全部入れ、それからナットを指定締付トルクになるようにトルクレン チで締付けました。トルクレンチが入らないところはメガネレンチで同様のトルクで締付 けました。
 初めての組立てなので、3時間くらいかかりました。


基礎セクションを穴へ 基礎セクションを穴へ

 基礎セクションを穴へ入れて、位置決めをし、下げ振りで垂直を出し、木枠とタワーの レールのすきまに木片をかって動かないようにしてから、下部に残土を埋め戻し、角材で 突き固めました。その上にぐり石を7cmくらい敷きました。
 基礎セクションの上に、タワーの1段目(地上より)を載せ、レールジョイント部にジョ イナーを当ててボルトで固定しました。


タワー垂直出し、固定 タワー垂直出し、固定

 タワーの1段目(地上より、テーパー状)で垂直出しを行なうために、プロペラ(3枚) のような垂直出し冶具を作って上部と下部に取付け、上部冶具の中心部から下げ振りを垂 らしました。
 垂直の微調整は、1段目の上部から3方向にロープを張りロープの先のレバーブロック で行いました。ロープはコンクリート打ちのときタワーが動かないようにテンションをか けたままにしました。


コンクリート打ち コンクリート打ち

 生コン車が入れないため、ユニッククレーンにパケット(0.3立方m)を吊下げて、生コン をタワーの横の足場まで運び、そこからスコッパで穴へ流し込みました。
 生コンが隅々まで入るように棒で突いて行ないました。生コンは約2.3立方m使用しました。
 生コンを入れてしまってから垂直がくるっていないかを見て、少し違っていたので垂直の 微調整をレバーブロックで行ないました。


コンクリート打ち完了 コンクリート打ち完了

 生コンの上面は木枠と同じ高さにしましたが、中央部は少し高くして雨水が溜まらない ようにしました。
 直射日光や雨があたらないようにシートをしました。一日目はジョーロで水をまいて表 面が乾燥しないようにしました。
 生コンが固まるまで1週間以上そのままにしておきました。


1段目取外し 1段目取外し

 地面の上で横向きで積上げるために、(地上から)1段目を取外しました。


2段目より上部組立て 2段目より上部組立て

 (地上から)2段目より上部(2〜6)を、基礎セクションの組立てと同様に行ないま した。組立ては1段につき2時間ほどかかりました。


セクションの積上げ セクションの積上げ

 地面に木材を敷いてその上に1段目を横にして置きました。次に2段目を1段目の先に 置いて、1段目と平行になるように木材を敷いて置き、ジョイナーをレールにあててボル トで固定しました。レールの真直度を出すために、各レールのつなぎ目がしっかり接する ようにしてすきまが出ないようにしました。
 同様に3段目より上部(3〜6)の積上げを行ないました。


エレベータの取付け エレベータの取付け

 タワーにレールブラケットを取付け、そのレールブラケットの先にレールを取付けまし た。2本のレールの平行と間隔をだし、レールのつなぎめに段差があるとアンテナトラック が引っかかるので段差が出来ないように合わせてボルトを締付けました。
 次にアンテナトラックを組込みました。ウインチの取付けはタワーのレールにウインチ取 付金具で固定しました。ワイヤーロープはアンテナトラックの上部に取付け、タワーの上部 のプーリーを通してウインチのドラムに巻きつけました。ワイヤーロープには錆びないよう にグリースを塗っておきました。


タワー吊上げ タワー吊上げ

 エレベータのレールブラケットの最下部は基礎セクションに取付けるため外しておきまし た。
 クレーンでタワーのエレベータレールが上になるように回転させ、タワーの4段目(地上 から)の上部にワイヤーを掛けて吊上げました。5段目より上部を吊ると、4段目と5段目で タワーのレールがテーパからストレートに変わっていてジョイナー部の強度が弱く変形する 可能性があるからです。ワイヤー(2本)はタワーの最上部より上にでる長さのものを使用 し、吊上げたときにタワーが回転できるようにしました。
 クレーン車はタワーの高さに土地の段差(4m)を加えた高さまでとどく16tのものを 使用しました。


タワーを基礎部に取付け タワーを基礎部に取付け

 クレーンでタワーを基礎の上まで移動させ、タワーを基礎セクションに取付くように回 転させて下ろし、ジョイナーをレールにあててボルトで固定しました。タワー上部に掛け ているワイヤーをタワーに上って外しました。
 外しておいたエレベータのレールブラケットの最下部を基礎セクションに取付け、それ にレールを取付けました。
 タワーが垂直に立っているかを確認するため、家の改築をしてもらっている業者さんに オートレーザーを借りて、レーザーの光が昼間は見えないので夜に測定をしました。垂直 度は15mで1cmほどになっていました。


アンテナ取付け アンテナ取付け

 エレベータのアンテナトラックにローテータとベアリングを取付け、それにマストを取 付けました。
 アンテナは今まで使用していたHFのマルチバンドアンテナ(クリエート・デザインの 318−40)を取付けました。今までのマストへの取付け位置ではエレメントがタワー のレールに干渉するため、反射器側へ130mmずらしました。アンテナのバランスがくずれた ので、ブームの反射器側に900gのおもりを取付けてバランスをとりました。
 3.5MHzのダイポールアンテナは、アンテナトラック上部からアームを出してアンテナの 中央部をぶらさげました。


ケーブル取付け ケーブル取付け

 同軸ケーブルはHFマルチバンド用に8Dー2V、3.5MHz用に5Dー2Vをそれぞれ50m 使用しました。ローテータ用には7芯ケーブルを使用しました。
 アンテナから出た同軸ケーブルはタワーにアンテナトラックの可動範囲の中間で固定しま した。
 家への引き込みは、タワーの下部(地面より2m)と2階の軒との間にクレモナロープを張 ってそれに支柱キャッチ(農業資材)を50cmおきに取付け結束バンドで固定し、その支柱キ ャッチに同軸ケーブルを入れて釣下げました。
 同軸ケーブルにスタンディングウェーブアナザイラをつなげてSWRを測定しました。 3.5MHz:1.1 7MHz:1.2 14MHz:1.0 21MHz:1.0 28MHz:1.1 (バンド中央部)となっ ていました。


接地抵抗

 KT−Rタワーでは基礎セクションの下部にアンカープレートが入っているため特に接地 部品は使用しなくてもよいようになっています。家の改築をしてもらっている電気工事屋さ んに接地抵抗計を借りて測定をしたところ、17Ωになっていました。

タワーの使用感

 エレベータをウインチのハンドルを手で回して上げるとき、それほどの力もいらずに5分 くらいで頂上までスムーズに上げることができました。アンテナの取付けも地上で行なえる ので安全で楽にできました。
 


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